新しいお茶碗

お気に入りのもの

近所の雑貨屋さんで、新しいお茶碗を2個買った。

約10年勤めた職場に退職すると伝えた日、その後、学校も正式に転入できるようになって、入学金を支払い制服を注文した。もう後戻りできないと、心が震えた。

もう進むしかない!そこから家探し。この時期、簡単に見つかるはずもなく、さっきあった物件が、数時間後にはどんどん決まってゆく。まして、私は無職。さらに選択肢が狭まる。

慣れない街で、娘の学校に行きやすい経路。でも余りに古い所じゃ気持ちも上がらない。光のたくさん入る、安心できる場所。満点じゃなくても、せめて60点。物件の選択肢が全然ない中で、数日後、残された1件の内覧で詰まないように祈るだけ。

ここ数年、1ヶ月後の自分が見えない状態が続いていた。静かで、穏やかな日常を過ごしたい。ずっとそう願っていた。

新しく買ったお茶碗で、ゆっくりホクホクご飯を食べる日を想像しながら。私と娘の、安心できる場所。

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